鬼と納豆と《宝探し屋》
後編
「だいぶ時間がたってしまったな・・・」 もう2時間はたつようだ。そろそろこの部屋の調査を終え、遺跡に向かわねばならない。 「最後に・・・なにか・・」 情報はないかとPCを見つめる。そこに『ブロードバンド』という項目を見つける。 「ロゼッタ協会の・・・・配信映像か」 トップハンターという項目を見つける。世界のベテランハンターを紹介する番組と書かれてある。 「見てみるか・・・」 項目のうち下の段の一番端、『トップハンター4』と書かれてあるものを選び再生する。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふん・・」 こんな若造が《宝探し屋》のトップにいるハンターなのか?と、腕組し、見入る。 「・・・・バハマの海底遺跡か・・・聞いたことはあるな・・」 喪部の視線の先、テロップが写る。 『この番組を見ている《宝探し屋》に何かメッセージを』 「ふん・・・・」 鼻で笑った直後・・・・喪部は固まった。 『デストロイ デストロイ デストロイ!!!!』 「デ・・・・デストロイ・・・・?」 遺跡探索に必要なものは、破壊力?ブッ壊せ・・・? 「・・・・・・・・・・・野蛮人め・・・」 こんな輩には、秘宝はふさわしくない。これならば、やたらと『挽肉 挽肉』うるさい大男の方がまだマシだ。ひび割れ見つけたら壊してみよう!などという標語も遺跡を壊してどうなるというんだ・・。 「この僕には理解できないね・・・」 九龍も、あぁなのだろうか・・・・と、好感度をダウンさせながら隣の項目を選んでみる。 「・・・・・ロゼッタちゃんと・・ハントくん・・・?」 まさか人形劇じゃ・・・・と危惧しながら再生してみる。 「・・・・・・・・・・・・・・人形劇・・・」 可愛らしいウサギのぬいぐるみとクマのぬいぐるみが、幼い子供の棒読みで進められる。 『料理に必要なのは独創性と 包丁 よ!』 喪部の視界の隅に、カレー鍋がうつる。鍋が存在を主張しているように思えて目を画面にそらした。 『実は幼い弟を楽にするために どう思われてでも サバイバルナイフを 手に入れたいの』 どこかでみたフレーズだ・・・。 『殺してるよ、殺してるよ』 「・・・・・・・・・・・・・・・・・」 先ほど自分が思ったことは、間違いではなかったかと、頭を抱える。 『泥棒に必要なのは抜け目なさと ワルサーP38じゃないかな』 喪部の脳裏に、赤い服を着たふぅ〜じぃ〜こちゃぁ〜〜んと言いながら空中をダイブしていた主人公の居る某アニメが思い出されたが、頭を振って考えを消す。 『どこかに料理も泥棒も出来るトレジャーハンターは居ないかしら?』 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 何を考えてるんだ、ロゼッタ協会! 思わず心の中で盛大にツッコミをしてしまい、脱力して机に突っ伏した。 「こんなくだらない組織が・・・・敵対組織だとはね・・・」 なんだかとても疲れた気分で溜め息をつくと、ゴトッ!と足先に何か当たる。 見ると・・・・・・先ほどまではそこにはなかった 霜降り肉 がででんと床の真中に鎮座していた。 「・・・・・・・・・・・ッ!?」 何時の間に!?と驚いてる間にも、その傍らに何故か 桜肉 牡丹肉 卵のう ヨード卵が増えていく。 何もない空間から出現したとしか思えない。 「そ・・・・・そんなバカな・・・ッ!?」 この僕の優秀な遺伝子は認めないと言っているぞ!と錯乱しつつ見ていると、何かが頭上から降ってきて慌てて避ける。 「・・・・・納豆!?」 納豆がいくつもどさどさどさと落ちてくる。 「どうなってるんだ・・・・」 一体この納豆はどこから出現した!? がちゃ・・・とかすかな音がして、背後の扉が開いた。バッと振り向くと・・・・・葉佩九龍本人がこちらをみてビックリしたように立ち尽くしていた。 (しまった・・・ッ!) どうやら帰ってきてしまったらしい。鍵を横取りしに行くはずだったことを思い出し、更にこのマズイ状況に気付く。 「あれー?」 「・・・・・・・・・ッ」 「俺、間違えた?」 首を傾げながら、九龍は一旦部屋を出ると何かを見ていた。どうやら部屋のプレートを確認しているらしい。 「うーん俺の部屋だよねぇ・・・・・」 戻ってきた九龍はこちらを見て考え込むように首を傾げる。 (・・・・クソ・・・ッ!僕としたことが・・・) 「あ、もしかして、部屋間違えた?それとも俺のこと待ってた?」 「・・・・・は・・・?」 疑いもしていないらしい九龍に、戸惑う。 「九龍・・・・」 「ん?あ、ごめんな〜部屋汚くてびっくりしたろ?」 「あ・・・・あぁ・・・」 「納豆がさ・・・溜まり過ぎちゃって・・・・・・ね、いらない?納豆」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 本当に気付いていないのか?と警戒しながら見ていると九龍は近づいてきて笑いながら納豆を摘むと喪部に押しつけてきた。 「貰ってくれてありがとな!」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あぁ・・・」 (ここは大人しく貰って出ていく方が良いか・・僕の正体に気付かせるわけにはいかないからな・・・) 「あ、俺PCつけっぱなしだったんだー・・」 「あぁ・・・」 頷き、ふと口にした。 「で・・・・・・デストロイ・・・?」 「あぁ!うん!デストロイ!!!」 九龍は嬉しそうに笑うと何かを取り出した。黄金のそれは・・・・・小型削岩機・・・。 「デストロイ!!デストロイ!デストロイィィィー!」 ぎゅぃぃぃー!と顔面すれすれに削岩機をつきつけて九龍は「ゲットトレジャー!」と言って笑った。 「・・・・・・・・・・・・・・・ッ!」 「あれ?なんか真っ青だよ?」 「りょ・・・」 「りょ?」 「料理・・・できるのかい・・・?」 「できるよ!お腹減ってる?作ろうか?」 「いや・・・・・そ、それより・・・・その手に持っているものはなんだい・・・?」 「え?あ!!!えっと・・・黒板消しに見えるけど別に3−Cのじゃないよ!」 「・・・・・・・・・・・・」 「こ、こっちの百科辞典は図書室からゲットしたわけじゃないよ?」 「・・・・・・・・・・・・」 「このイーゼルだって・・か、借りてきたものだし!」 「・・・・・・・・・・・・・・」 「このミルクはもんちゃんから貰ったんだよ?ばっちり目の前で貰ったから!」 「もん・・・?」 「あぁ、生徒カイチョーさん!」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 『どこかに泥棒も料理もできるトレジャーハンターはいないかしら?』 (いた!ここにいた!いたよ!) 喪部は納豆を抱えたまま落ち着こうと深呼吸をした。 (・・・・・・・納豆くさい・・・) 納豆くささに、我にかえると、喪部は口元に笑みを浮かべた。 「九龍・・・・、さすが僕の優秀な遺伝子が認めただけはある・・・くくく・・・ッ」 納豆を足元に落とし、九龍へと手を伸ばす。 九龍は瞬きしただけで、その手を見つめたままうごかない。手の向かう先の首筋は細い。 力を込めれば、一瞬で片がつくだろう・・・・・。 「え・・・?」 九龍が何かを言いかけた瞬間、背後からの殺気に喪部は左へと避けた。 「・・・・・・・・・ッ!」 ビュッと今まで自分が居た場所に何かを振り下ろされるような音がした。 (誰だ・・・ッ!?) 「あ、甲太郎と大和!迎えに来てくれたのか?」 九龍ののんきな声に、誰だか判明する。 喪部は体勢を整え、立ちあがり振り向くと、そこに居た皆守甲太郎と夕薙大和の睨みつける視線とぶつかる。皆守は静かに足を地に戻し体勢を整えた。 (先ほどの攻撃はこいつか・・・ッ) 「・・・何をしている・・・」 夕薙の低く押さえた声に、喪部は嘲笑うような表情を浮かべた。 「九龍と話をしていただけさ」 「ふざけるなッ!」 「ホントだよ?」 「九龍・・・・・」 背後に居る九龍を視線だけで見ると、どこか楽しそうに笑う姿が見えた。 (本当に気付いてなかったのか・・・?) その笑顔に不快感を煽られる。その顔を歪ませて苦しませてやりたいと思った。 「なんか、納豆が好きみたいで、わざわざ取りに来てくれたんだって!」 「・・・・・・・・・・・・・・ほぅ」 「なッ!そんなものはいらないと・・・ッ!」 ガサッと先ほど渡されたよりも量が何時の間にかに増やされた納豆いり袋を手渡され、唖然とする。 「喪部納豆好きなんだよね?」 にっこりと微笑まれて、今の立場の危うさに気付く。 九龍だけならどうにかなるだろうか、挟まれている上に・・・。 (まだ僕はこんな茶番を続けなければならないからな・・・・時が来るまでは・・) 「・・・・フッ、そうだよ・・・これはありがたくもらっておくよ」 前髪を掻き揚げながら、不遜に言う。 「そんなに納豆が好きなのか?・・・・俺とは合いそうにないな」 夕薙の冷たい視線と声に、心の中で『キミと合わないでうれしいよ』と返す。 「俺も納豆嫌いでさ、貰ってくれて嬉しいよ」 (嫌いなものを押しつけようとしているのか!?) 「あぁ・・・その納豆は、あの白いフンドシが出したやつか・・・・物好きだな・・」 1人黙ってアロマを吹かしていた皆守が、あくび交じりに呟いた。 (白いフンドシ・・・?) 「あ、だめっ!言っちゃダメ!」 九龍が慌てて皆守の口を塞ごうと駆け寄ると、すいっと避ける。 「わぁっ!?」 ガタン!と盛大に九龍は倒れ込む。 その拍子に、ドアの上に作ったらしい棚の上から物が盛大に落ちてきた。 「ぐ・・・・ッ!!!!!!!!」 落ちたものは小さいものだったが、床に落ちはねたものに当たった瞬間凄まじいダメージを受け、喪部は膝をついた。 (くそ・・・ッ!油断した・・・僕としたことが・・ッ!) 体力をほとんどごっそりと削られているような感じに眩暈がする。 「あーぁ・・・・タイゾーちゃんに貰った炒り豆が・・・拾うの大変なのに・・」 (炒り豆・・・・?なんだそれは・・・・) このダメージの元はそれか・・・?拾おうとすると、夕薙の足に邪魔される。 「・・・・・・・夕薙」 「納豆を持ってさっさと出ていったほうが身の為じゃないか?喪部」 「くッ!」 明らかに脅しだ。こんな下等な人間に・・・ッ! 「おっと、元気な豆だな」 「・・・・・・・・・・ッ!」 バチッ!と頬に当たる豆に、あがりそうになった声を押し殺す。 (こ・・・・こいつ・・・ワザとか・・・ッ!殺すッ!) 「早く出ていけ」 九龍に聞かせないためなのか低い声。 (・・・こいつも油断できない相手だったか・・・) 目をつけていたが、ここまでとは・・・。 「あぁ・・・そうするよ・・・」 (このままでは無様な姿を晒しかねないからな・・・・) 時が来たら、必ず殺してやる。 殺意を込めて睨み合いながら立ちあがる。 「大和、豆そのへんあった?」 「あぁ。これで全部か?」 「うん!」 一瞬で殺気を収め、九龍に向き直る夕薙に、更に殺意が増す。 (・・・九龍をこいつの前でヤツ裂きにし、殺すか・・・) その方が愉快そうだ。 「それじゃ、九龍・・・邪魔したね」 「あ、納豆忘れてるよ!」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・あぁ・・」 「またゲットしたら喪部に上げるからな!楽しみにしててね」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あぁ・・」 納豆の袋を手に取る瞬間、どこからともなくギュィーンと何かが落ちるような音が喪部からした。 「・・・・それじゃ・・・・葉佩」 「おやすみー」 扉を閉め、喪部は口元に暗い笑みを浮かべた。 「・・・・・・・・・・・必ず僕の手で殺してやるよ・・・」 覚えておくといい、と納豆を抱えたまま、己の心に誓ったのであった・・・。 <完> ***おまけ*** 葉佩「喪部って良いやつだったんだなぁ〜・・・あの納豆、カメ急便さんも引きとってくれなくてどうしようって困ってたのに・・・」 皆守「・・・・・袋に入ってたヤツはいつからあるんだ?」 葉佩「初めて白フンドシからゲットしてからだから・・えっとー・・・、二ヶ月?」 皆守「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・さすがに腐ってるだろ、それ・・」 葉佩「えっ!?納豆って最初から腐ってるんじゃ!?」 皆守「違う。納豆は発酵食品だ」 葉佩「ハッコウって何?」 皆守「・・・・・・後で辞書でも引くんだな」 葉佩「うん!」 皆守「・・・・それより、九龍・・・」 葉佩「んー?」 皆守「・・・・」(無言で九龍の背後を指差す) 夕薙「・・・・・・・・・・・・・・」 葉佩「へ・・・・ッ・・うぎゃぁっ!?こ、甲太郎ッ!大和が!大和が怖いッ」 皆守「わ・・ッ!バカッ!しがみつくなッ!」 葉佩「だ、だって・・・」 夕薙「九龍・・・」(超低音) 葉佩「は・・はいぃッ」 皆守「おい腕ッ!痛ッ!爪たてるなッ!」 夕薙「俺は言ったよな?あいつには気をつけろと・・・今朝言ったはずだよなッ!?」 葉佩「うん・・・気をつけてる・・・つもりなんだけど・・」 夕薙「どこがだッ!?」 葉佩「え・・・?えっと、どこだろう?」 夕薙「・・・・気をつけている人間は、普通部屋に入れたりはしない」 葉佩「え?違うよ」 夕薙「どこがだッ!さっき部屋に居ただろうがッ!」 葉佩「入れたんじゃなくて、最初から居たんだよ」 皆守「おい・・・」 夕薙「・・・・最初から居た?」 葉佩「うん!迷ったみたいで」 夕薙「・・・・・・・・・・・・鍵をかけて出なかったのか?」 葉佩「部屋の鍵なくしちゃってさ〜」 皆守「予備のやつがあっただろうが・・」 葉佩「それもなくした」 皆守「・・・・・・・・・・・・・神鳳に言っとけ・・・」 葉佩「えー・・・だって充さん・・怒るし・・」 皆守「知るかッ!!」 夕薙「鍵はともかく、留守中に部屋に入られたんだぞ?暢気に会話してる場合じゃないだろ」 葉佩「だ、だって・・・納豆欲しいって言ってたし・・」 夕薙「本当にヤツが言ったのか?」 葉佩「眼がそう言ってた!納豆ホシイヨーオイシイヨーって」 皆守「・・・・・・・・・なんで片言なんだッ」 夕薙「九龍・・・・・・・・・・」(溜め息) 葉佩「それに部屋に入られても平気だし」 夕薙「・・・俺達が来なければどうなっていたと思う?」 葉佩「へ?」 夕薙「喪部は危険だといったはずだ。俺達が駆けこんだときのあいつからは、殺意を感じられたぞ」 葉佩「殺意?」 皆守「・・・・・・まさか・・気付いてなかったのか?」 葉佩「納豆を熱い視線で見つめてたように見えてたんだけど・・・」 夕薙「・・・・・はぁ・・」 皆守「・・・・・・・・九龍、納豆のことしか頭になかったんだな?」 葉佩「うん。どうやって処分しようかな〜って思ってた」 夕薙「・・・・・九龍。もう一度言う。喪部には気をつけろ、いいな?」 葉佩「え、でも納豆・・・」 夕薙「納豆また手に入れたら、ヤツの部屋の前にでも置いておけば良いだろう?」 葉佩「そっかーうん!判った」 夕薙「ついでに机の中やロッカーにも入れてやると喜ぶかもしれないな」 葉佩「お!ナイスアイディア!それだと納豆を部屋にストックしなくてすむから、部屋も匂わなくなるね!」 皆守「・・・・・・嫌がらせかよ・・」 夕薙「そうか?勝手に九龍の部屋に侵入したヤツへの報復には足りないくらいだぞ」 皆守「・・・・・はぁ・・・・」 夕薙「それより九龍。依頼確認はいいのか?」 葉佩「あ!そうだった・・・なんか急に受けてた依頼が全部キャンセルになってて困ってたんだった!えっとー・・・」 皆守「相変わらず鳥頭だな・・」 葉佩「え・・・・?うそーっ!?なんで?どうして!?」 皆守「どうしたんだ?」 葉佩「なんか・・・全部キャンセルになってる!しかも依頼人さんの好感度がめちゃ下がってる!なんでー!?」 夕薙「はぁ・・・・」 皆守「あいつの仕業か?」(夕薙にのみ聞こえるように) 夕薙「そうだろうな・・・PCを触られたと思って間違いないだろう」 皆守「・・・・九龍は気付いてないみたいだな・・」 夕薙「俺達が気をつけておくしかないようだな・・・まったく世話が焼ける・・」 皆守「俺はもう世話なんざしたくないぞ・・」 夕薙「俺には、自分から進んで世話をしてやってるように見えるがな」 皆守「・・・・ッ!」 夕薙「九龍にはお前が必要だ・・甲太郎」 皆守「・・・・」 夕薙「誰よりもお前のことを頼りにしているしな・・九龍は」 皆守「・・・・アホなんだよ・・九龍は」 夕薙「ははッ・・そういうな甲太郎。・・・・俺には、お前が羨ましいと思うぞ」 皆守「・・・・・・」 夕薙「九龍の仲間になって初探索だったが・・、お前が背後に居ると安心しているように見えた」 皆守「・・・別にいつも一緒に潜ってるわけじゃないぞ」 夕薙「そうだろうな・・仲間が多くて驚いたぞ、正直」 皆守「・・・・あぁ・・別に俺1人がどうこうと言うわけじゃないさ・・」 夕薙「・・・どうだろうな・・・見てみないと判らんが・・」 皆守「・・・・」 夕薙「俺は九龍の正体を知りながらも、手を貸してやることは出来なかった」 皆守「大和・・・」 夕薙「九龍を利用していたからだ。先へ進ませ・・秘宝を奪い取る・・そのためだけに利用していた」 皆守「・・・・だから同じように利用しているであろう喪部が気になるのか?」 夕薙「あぁ・・あいつは《敵》だ。近いうちに九龍に手を出してくるだろう・・」 皆守「・・・・そうだな・・。残りの区間もあとわずかだ・・」 夕薙「・・・・・・俺は九龍を守る」 皆守「・・・・・・・」 夕薙「・・・お前も、九龍を・・・・」 葉佩「俺がどうかしたー?」 夕薙「・・・ッ!もう・・いいのか?」 葉佩「うん。なんでかしらないけど、キャンセルになっちゃってたのは仕方ないし・・・受けなおしてきた」 夕薙「そうか・・」 葉佩「・・・・?甲太郎?」 皆守「・・・・・・なんだ」 葉佩「なんか、顔が壊れてるよ」 皆守「壊れてないッ!」 葉佩「あ、違った。えっと・・・こ・・こ・・・こわまってるな?」 夕薙「・・強張っている、か?」 葉佩「そうそう!大和、ナイスフェロー!」 皆守「フォローだ、フォロー。まったく・・・・バカだな、お前は」 葉佩「・・・・・うん・・・うん!そう!それがいい!」 皆守「バカって言われて喜ぶなッ!」 夕薙「・・・・・・・・・」(腕組しつつ(笑いながら見守る) 20分後、in遺跡大広間 葉佩「そうそう、さっきついでにこれもってきた」 夕薙「ん?なんだそれは・・・CD?」 皆守「・・・・・・・・またか・・・」 葉佩「甲太郎とやっちーには覚えてもらったんだけど、大和も掛け声覚えてね!」 皆守「九龍・・・それやるなら、俺はそこで休んでるからな」 葉佩「うん、いいよー!でも寝ないでねー」 皆守「ふぁぁぁ・・・だるい・・・。寝かせてくれ・・」 葉佩「寝たら何かするからなー!」 皆守「何かって、何だッ!・・・ったく、早く済ませろよ」 葉佩「はーい!じゃぁ、大和、これ覚えてね!」 夕薙「なんだ・・・?ハンター体操?」 葉佩「それ毎日潜るときにやらなきゃいけないんだけど、最近やってないからさ・・よろしく」 夕薙「まぁ・・・・身体を動かすことは嫌いじゃないからな・・・」 葉佩「それじゃ掛け声よろしくー!」 同時刻、ファントムin化人創成の間 ファントム「・・・・・・遅い・・・・・・・・・・・・」 【完】 |
【一言あとがき】(藤夜聖) ハンター体操を入れ込むためだけに「おまけ」を書いたんですけど、皆守と夕薙の会話が書いていて楽しいです。夕薙は皆守の正体をしった上で言ってます。 舞台はファントム戦の12/22なので、かなり心境複雑な皆守さんって感じに・・・出来たらいいなぁ・・(笑) にしても、ハンター体操大和ver聞きたいッッッッ!!! 茂美verも聞きたいけど、大和のあの声で聞きたいッ! 誰か嘆願メールを監督におくっ(略) 大和verって・・・病弱なくせに柔道部主将な大和ですから、かなりはりきった感じでやたらと爽やかな感じですかね? 最後は「宝を手に入れたぞッ!やったなッ!(爽)」で!ひー・・・聞きたいぃぃぃーッ(悶絶) そういえば、↑この話で、喪部に炒り豆ぶつける大和がお姑さんみたいだと罰九郎さんに言われてから、そう見えるようになってしまいました・・(笑)確かにそう見える・・。見えます?見えた人は是非拍手を!(笑) |