雪景色の物語
「先生!先生!雪だよ、雪だよ〜!!!!」 「・・・・・うぅ・・」 「先生っ!雪降ってます!積もってます!凄い凄い〜!」 「・・・・・・凄い・・さむい・・・・・ですね・・・」 「先生〜!外行ってきても良いですか??」 「・・・・風邪を引きます」 「行きたいです!行きたいです!行きたいです〜!!!」 「・・・トウタ・・」 「はい?」 「せめて日が昇ってからにしなさい・・・まだ夜明け前ですよ」 「でも明るいですよ」 「だめです」 ホウアンはため息を付いた。昨日の夕方から降り出した雪を見てからうきうきとはしゃいでいる愛弟子に気づかれないように。 (やれやれ・・昨日からこの調子ですからね・・) トウタはなおも窓辺に張り付いてじっと外を眺めている。 夜が明けるまでにはまだ時間があるというのに、ごそごそと起き出して雪を見ていたらしい。 ホウアンはまた一つため息をつくと、ベットから降り立ち、掛けてあった褞袍(どてら)を手に取ると、子犬のように尻尾を振っているかのようなトウタの肩にかけてやる。 「風邪を引きますよ。そんなに薄着で窓辺に居たら」 「あ、ありがとうございます」 「雪が珍しいですか?」 「はい!初めて見ます!」 「そうですね、私も久しぶりに見ましたね・・・こんなに積もった雪は」 窓辺に腰掛けているトウタの肩越しに見える雪を見て言った。 「この辺りは冬でも暖かい気候ですからね」 「僕、生まれて初めてこんなに積もった雪見ました」 「そうですか。朝になったらたくさん遊びなさい」 「え、でもお手伝いは・・」 「今日は構いませんよ、いつも手伝って貰ってますからね」 トウタはホウアンを見上げると嬉しそうににっこりと笑った。 「さ、まだ早いですから、寝てなさい。今日は寝てないのでしょう?」 「はい。お休みなさい」 トウタは腰掛けていた場所から降りると、自分のベットに戻ろうとした。 「トウタ」 「はい?」 「夜の散歩でもしてみますか?」 「はいっ!!」 「わ〜!寒い〜!!」 「トウタ、あまりはしゃぐと転びますよ」 「大喜びですね」 「えぇ・・興奮して眠れなかったようで、ずっと窓から雪を見ていたんですよ」 道具置き場の近く、吹きさらしの出入り口で夜通し見張りをしている兵士に温かいお茶をポットに詰め込んで差し入れを渡す。 「ご苦労様です」 「いえいえ、これが俺の仕事ですから」 「この城は籠城するのに適した地形にありますが・・出入り口が手薄ですからね」 「大丈夫ですよ。ネズミ一匹さえ通しません」 兵士は暖かな湯気を少し見つめると、少し微笑んだ。 「トウタ君見たいな子供が安心して眠れるように、俺はがんばるだけです」 ホウアンは微かに目を見開くと、 「そうですね・・皆それぞれの役割を自信を持って果たそうとしている人たちが、ここを支えているのでしょうね」 「せんせ〜!!!!」 トウタの大声とともに、ホウアンの顔めがけて雪玉が飛んできた。 「あはははは!あ、すみません」 隣に居た兵士は盛大に笑いだしたが、ホウアンに失礼だと思い笑いを引き込んだ。 「と・・トウタ・・」 ホウアンは少しだけ怒ったようなふりをして、愛弟子を見る。 トウタはというと、いたずら小僧よろしく舌をぺろっと出して笑いだした。そしてまた足下の雪をかきあつめて雪玉を作り始める。 「・・・・・」 ホウアンはそれを見て、苦笑いを浮かべると、足下の雪を拾いこぶし大の雪玉を作り・・ 「トウタ〜!」 と大声で呼び、「え?」と顔を上げたトウタに投げつけた。 「おや、命中しましたね」 「うー先生〜!」 たちまちに雪玉の投げ合い・・雪合戦が始まった。 「・・・・」 兵士はその微笑ましい光景を見守りながら、笑いをこらえていた。 「何がおかしいんだ?」 「!」 兵士は突然気配もなく背後から声をかけられて、身をすくめるとそろ〜と振り返った。 「シュ・・・シュウ軍師!!」 「何をしてるんだ?」 「あ、いえ、その、あの・・」 「敵がいつ夜の闇に紛れてやってくるとも限らないんだぞ?」 「そ、それは・・」 「外は危険だ、城の警備兵以外は外へ出してはいかん、と俺は言ったよな?」 「は、はい」 「どういうことだ?」 「えー・・そ、の・・」 兵士はシュウの睨みに身をすくめ、しどろもどろに答える。 「特にこの場所と正面入り口の警備は重要だ。それを・・」 シュウが腕を組み、ぐちぐちと説教を始めようとしたとたん、声がそれを阻んだ。 「シュウ!」 「モンキ殿」 シュウの背後に駆け寄ってきたのは、この城の主であり、また同盟軍をまとめあげるリーダーのモンキだった。モンキはシュウの袖をくいっと引っ張り制止した。 「この兵士さんは別に遊んでなかったじゃない、それに・・こんな綺麗な夜に外に出ないっての・・勿体ないよ」 「・・・・」 シュウはモンキを見下ろすと盛大にため息を付いた。 「つまり、外へ出たいんだな」 「うん!」 元気良く素直に即答したリーダーにシュウはまたも盛大にため息をつくと、着ていた上着をモンキのむき出しの肩に掛けた。 「風邪など引くなよ」 「もちろん!」 モンキは無邪気に返事をすると、トウタとホウアンの雪合戦に乱入していった。 残された兵士は近くで騒ぐモンキ達の声を聞きつつ、この場にシュウと2人きりという居心地悪さに胃が痛んだ。 「あいつは自分の立場を判ってないな」 「は、はぁ?」 「自分の影響力など考えもしないんだろうな」 「はぁ・・」 「気にするな、独り言だ」 「はぁ・・」 「シュウ〜!!」 遠くの方にいつのまにかに行っていたモンキがシュウに大きく手を振りながら呼びかけた。 シュウは無邪気なモンキにどう対応するか、しばし迷ったがため息一つ付くとモンキに向かって軽く手を振った。とたん嬉しそうに笑うモンキにシュウはつられて微笑んだ。 (それにしても何年ぶりだろうか) シュウはこの地で生まれたわけではないが、移住してきて初めて目にした雪にまぶしそうに目を細めた。 明け方間際の外は、闇に包まれているとは思えないほど明るかった。 白い雪がまるで発光しているような明るさが目にもまぶしい。 「まさに『犬は喜び庭駆けめぐり』ですね」 「ホウアン殿」 雪合戦から抜けてきたホウアンは雪が当たって濡れている顔を持っていた手ぬぐいで拭きながら、シュウ達の元へ歩いてきた。 「濡れネズミだな」 「若さには勝てませんよ」 雪玉が命中した服はところどころ濡れているが、それを少しも気にとめていないホウアンの様子にシュウは苦笑いを浮かべた。 「同感だ」 「おや、シュウ殿・・・以前の貴方なら小言一つでそうなものを・・」 「おかしいか?」 「いえ、貴方も変わられたようだ」 「も、か?」 「えぇ、貴方以外にも変わった人は居ると思いますよ。」 「・・変わったというか・・」 「そうですね、変わるとは正確な言い方じゃないかもしれませんね」 「ほう?」 「変わったというか・・前進、進歩・・より良い変化をした、ですね」 「ホウアン殿らしい解釈だな」 「シュウ殿自身はどう思われて居るんですか?」 「・・・昔の俺ならば、信頼だの何だの、無駄だと蹴散らして終わりだろうな」 「今は違うと?」 「今もあるにはある。だが、必ずしも無駄なものとは思えなくなった・・・あいつの影響でな」 雪の明かりに照らされたシュウの表情は軟らかい。その視線は遠くでトウタと駆け回っているモンキに向けられていた。 「あの子は不思議な雰囲気を持ってますね」 「雰囲気?」 「初めて会った時、トウタを任せたのもその雰囲気と直感からなんですよ」 「直感か・・・確かに俺がモンキをリーダーに指名したのも・・何も紋章のせいだけじゃない。確信に近い直感からだ」 「約束の石版に刻まれる仲間達は、皆あの子に対して何かしらの直感を感じてるんでしょうね」 「理由は様々だ。ある者は追い求める者を探すため、ある者は自分の信念を貫くため・・・」 「けれど、少しずつ変化してきている・・・誰もがあの子の力になろうと。思えば凄いことですね」 「トランの英雄、レイン・マクドールのような持って生まれたカリスマ性ではないが・・確実に人を惹き寄せる」 「時代が、必要としているのかもしれませんね」 「時代・・か、あながちそうかも知れんな」 「・・・あの子自身の望みはいつの日か叶うのでしょうか・・」 「望み、か」 「この戦争が終わって、平和になっても、あの子の望みが叶わなければ・・とても喜べませんね」 「・・・そうだな」 「シュウ〜!!!」 「先生〜!!!」 「呼んでいますよ」 「ホウアン殿もな」 「行かないんですか?」 「行けば・・雪まみれになりそうだ」 「そうですねぇ・・・トウタのあの笑みは・・・いたずらを考えて実行したくてうずうずと言ったところでしょうか」 ホウアンは顎に手を置いて、小首をかしげた。 「よく判っているな」 「えぇ、それはまぁあの子の先生ですからね」 「・・・モンキ殿も・・・さすがはナナミ殿の義弟だな。企んでいるときの笑い方が似ている」 「・・・似てますねぇ。血は繋がっていなくても一緒に育てば似るんでしょうね」 ナナミが本拠地内で引き起こした騒動は数多く、ホンアンは騒動に巻き込まれた人々の治療で、シュウは騒動の後始末や苦情で、それぞれがよく知っていた。 「ホウアン殿」 「はい?」 「後は頼んだ」 すでに早歩きで去ろうとしているシュウを見てホウアンは呆れたかのようにその背中に声をかける。 「おや・・・逃げるんですか?」 「逃げではない。部屋に戻るだけだ」 「モンキ殿は戻って欲しくないようですが・・」 「シュウ」 いつの間に近づいてきたのか、入り口にモンキが立っていた。 雪合戦でかぶった雪でシュウの貸した上着は濡れている。 寒さのあまりに赤くなった頬と耳、だが目だけは爛々と輝いている。 ニコニコと笑いかけながら近づいて来るモンキに「悪い予感」をひしひしと感じずにはいられない。 「何だ?」 「もう戻っちゃうの?」 「あぁ・・もうあと少しも寝れないがな」 「僕ね、トウタと2人して凄いもの作っちゃったんだ」 「そうか」 「うん、だから・・見に行ってから寝なよ」 「・・・俺は眠いんだ」 「そこまで20秒もかからないし!」 「・・・・モンキ殿」 「うん?」 「この雪で今日は外泊は出来ない。今日はみっちり勉強してもらうからな」 「・・・・・・・」 「お前も早く寝た方が良い」 「・・・」 「モンキ殿、お休み下さい」 「・・・シュウ!」 「・・なんですか?」 「来て!」 会話しながらだんだんと俯いていくモンキに内心かなり罪悪感を感じながら、それでもさっさと部屋に戻ろうときびすを返したとたん、モンキに腕を捕まれ強引に引きずって行かれる。 一見華奢な少年だが、腕力は熊男・・もといビクトールにもひけを取らない。 シュウはずるずると引きずられて外へ連れ出された。 「先生〜〜〜〜!!!!」 シュウを見送っていると、自分に飛びついてきた小さな身体。 慌ててよろめきながら受け止める。背後で見張りの兵士が声をおさえながら笑っている。 「と、トウタ」 「先生、何度も呼んだのに聞こえてないみたいだったからです」 「・・・すみません」 「先生も行きましょう」 「い、いや私は・・」 「先生〜〜!!!」 「はい・・・」 シュウと同じように手を引っ張って連れて行かれるホウアンを見送りながら兵士は 「たまには雪の日も良いものですね」 と呟いた。 「モンキ殿・・・これは・・・」 「凄いでしょ!僕とトウタとで作ったんだよ」 「・・・・・」 「これは凄いですね〜」 本拠地内にある図書館の前の広場に大きな雪だるまが鎮座していた。 いたずらを危惧していた2人だが、どうやら見せたかったモノはこれらしいと知ると密かに胸をなで下ろした。雪だるまは全長2メートルは越えており、どことなく熊に似ていた。 「可愛いでしょ」 とにっこり微笑むリーダーに筆頭軍師は頭を抱えたい気分に陥った。 この戦乱のさなかに、雪だるまをのん気に作る余裕がある事は良いことなのか悪いことなのか。 もしこのせいで風邪を引き込んで寝込んだりするはめに陥ったらどうするつもりなのか、軍全体の士気にも関わる。 そう叱ろうと口を開きかけた時、先程自分が立っていた場所で見張りを続けている兵士が目に入った。 兵士は自分たちの方を見ながら嬉しそうに笑っていた。 この寒いさなか立ちつくして疲労していた様子だった兵士が、元気に嬉しそうに。 (・・・・ハイランドにはない”強さ”だな) 都市同盟の要たるミューズ市にアナベルを失い、ぎりぎりまで追いつめられた同盟軍が徐々に勢力をのばし、乗っ取られたグリンヒル、ミューズと取り返すことが出来たのは何も軍力のせいだけではない。 ばらばらだった同盟都市をまとめ上げ、長い戦乱で疲弊し荒れ果てていた人々の心を希望という光で照らし、戦乱へ身を投じる兵士やその家族、行き場をなくした人々が集まっているこの場所が、明るい雰囲気に包まれて子供達の笑い声が絶えない、皆が笑っていられるのは・・・ 「どうやら俺の目には狂いはなかったな」 「シュウ?」 「いや、何でもない。それよりよく作れたな」 こんな短時間で、と言うように見上げる。 「ごろごろ転がして有る程度大きくなったら、こう手で雪を付けて行くんだよ」 モンキは実際に作りながら答える。 「モンキさん今度は巨大うさぎだるま作りましょう!」 「うん」 トウタとモンキは2人に誉められたのが嬉しかったのか、うきうきとうかれながら新しい雪だるまを作ろうと駆けだした。 「もうすぐ夜明けだというのに元気ですねぇ」 「そうだな」 結局俺は徹夜したぞ、と深いため息を付く。 ホウアンも隣に立ち、「私も今日は仮眠程度しか寝てませんね」と同じようにため息を付いた。 「いい加減止めさせた方が良いかも知れませんね」 「そうだな」 「トウタ〜そろそろ休みますよ〜お散歩はおしまいです」 ホウアンが少し声を大きく上げて呼びかけると、トウタがくるりと振り向いて「えぇ〜〜〜〜〜」 と残念そうな声を上げた。 「モンキ殿も。お休み下さい」 「えぇ〜」 「また昼からやればよろしいでしょう」 「えっ?じゃぁ・・」 「昼からは雪かきを皆にもやらせます」 「シュウ!ありがとう」 「・・・・この雪では訓練も出来ませんし、入り口や道が雪で通れないのは問題ですからね」 「おや、シュウ殿耳が赤いですねぇ」 「!・・・ホウアン殿もな」 「寒いですからね」 「それじゃ休もうかな」 「そうですね」 「トウタ、モンキ殿戻りますよ」 「はい〜」 2人が手に持った雪を手近にあった木に放り投げて、先に行こうとするホウアン達に追いつこうと走り出した時であった。 雪が当たった木が揺れ、雪が落ちてきた・・丁度下を歩いていたモンキとトウタの頭上に。 「モンキ殿!」 「トウタ!」 それを見ていた大人達は素早く走りタックルをかけた。 「え?」 「わっ」 どさささー! 「モンキ様!シュウ軍師!!!」 慌てたのは見ていた兵士で、彼はあたふたと4人の元に走り寄った。 雪の下に埋もれたのはシュウとホウアン。 トウタとモンキは突き飛ばされた形で数メートル先の雪に転がっていた。 「・・・あ、シュウ〜!!!」 「先生〜!」 びっくりと何が起きたのかいまいち掴めて居なかったのか、目を見開いて居たが、兵士の叫び声で我に返る。 「・・・・結局濡れてしまったな」 と、埋まっていた人物が雪をはねのけながら不機嫌そうに言った。 「シュウ!良かった」 「モンキ殿・・・軽はずみな行動は止めていただきたい」 そう言いながらモンキの無事な姿にどこかほっとしたように笑う。 「先生〜〜〜」 トウタがシュウの傍らで雪を懸命に掘り起こしていた。 「ホウアン殿!」 「ホウアンさんっ!」 モンキとシュウはそれに気づいて慌てて雪掘りに参加する。 「ふぅぅぅ・・・肝が冷えましたよ」 「先生あやうく死にかけたんですよ・・、僕び・・ひっく」 「あぁ・・はいはい、トウタも雪は楽しいけど怖いこともある事を憶えて置いて下さいね・・」 こくりこくりと目をこすりながらうなずく弟子に苦笑いを浮かべながらその頭をよしよしと撫でてやる。 「ほらほら寒いのに泣くと涙が凍ってしまいますよ」 「ほええっ、そうなんですか?」 涙が凍ってしまうとは恐ろしいっと泣き止むトウタにホウアンはにんまりと満面に笑みを浮かべながらうなずく。 「それにしても・・・このままだと風邪を引きますね」 「そうだな」 「じゃ、お風呂入ろうよ」 「朝風呂ですか?」 「うん。テツさん確かもう起き出して沸かしてくれてると思うし」 早朝訓練に励む一部の人間やほかほか好きな一部の人間、老人達の熱い要望により日が昇る前から風呂場は開放されていた。 「仕方ありませんね・・・」 「やったーそれじゃ僕着替えと呪いの人形持ってくるね!」 「モンキ殿!!」 シュウが慌てて声を掛けたが一足遅くモンキは走り去った後であった。 「・・・・シュウ殿」 「・・・確かお風呂には5個すでに飾られていましたね」 「・・・トウタついでに”らくがき”2個持っていらっしゃい」 「らくがきですか?」 「えぇ。おもしろいですよ」 「はい、先生の着替えもお持ちしますね」 「お願いします」 元気に駆けだしていくトウタを見送ってしばらく後、地獄から響くような声をシュウは発した。 「・・・ホウアン殿・・・貴方は・・」 「どうせなら面白い方が楽しいですし」 「・・・」 「まぁまぁ、シュウ殿。夜明けですよ」 「あぁ・・・綺麗な夜明けだな。雪が光って」 「えぇ」 「これほどさんざんな雪の朝はまたとないだろうがな」 「おや」 「俺は後から入るとモンキに伝えろ」 「おや〜シュウ殿。もしかして怖いんですか?」 「!!」 「別に何も起きませんよ。たんなる鑑賞物ですし・・ちょっとユニークですけどね」 まぶしい朝の太陽に、白い雪が反射して光を放つ。 シュウはその雪に大きなため息をついた。 これから起こる騒動を予想して・・・・。 起き出した者達は何年かぶりにみた雪に誰もが見惚れた。 誰もが気づかなかったが、雪かきを指示する筆頭軍師殿は顔色悪く早朝何があったのかすべてを語れる者は少ない。 |